本日のテーマ『提案する』です。これも非常に使えるスキルの1つです。
提案とは
先ずはいつものように、「提案」を辞書で調べてみたいと思います。
議案・考えなどを出すこと。また、その議案・考え。
※ 三省堂提供「デイリー 新語辞典」より
コーチングにおいては、この「提案」はとても重要なスキルです。
話し相手に、新しい視点や選択肢を提供するために、自分の考えを提示すること、それが「提案」なのです。
ここでポイントが1つあります。
それは、「提案」の内容を選択するかしないか、選択権は相手にあるということです。
以前、私は提案することが苦手でした。
自分の提案が受け入れられないと、否定されたように思えてしまっていたからです。
私 :「~してみたらどうだろう?」
相手:「え~ちょっとそれはできないなぁ…」
なん~て、言われたらそれはもう大ショックです。しばらく立ち直れません。
だから、特に否定されそうな提案はしないようにしていました。
でも、そうではないのですね。
『選択権は相手にある』
こう思ったら、途端に気持ちが非常に楽になりました。
提案が受け入れられれば嬉しいし、そうでなければただそれだけ。これは私にとって、大きな方向転換になりました。
繰り返しになりますが、『選択権は相手にある』、これを忘れないで下さい。
提案・要望・指示命令
「提案」と良く似た言葉として、「要望」があります。
物事の実現を強く望むこと。
※ 三省堂提供「デイリー 新語辞典」より
「提案」は、自分の考えやアイデアを選択肢の1つとして相手に伝えることであるのに対して、「要望」はそこに、「実現を強く望む」、つまり、相手にメッセージを受け取って欲しいという気持ちが含まれます。
また、「提案」・「要望」をしているつもりが「指示命令」になっているケースもよくあります。(特に、上司部下の関係)
「提案」も「要望」も強弱の違いはあれど、選択肢は相手にあります。
相手に選択権がないのであれば、それは指示命令です。
特に上下関係がある場合には、「提案」・「要望」をしているつもりが、指示命令にならないよう、相手に選択権を与えることを意識してみましょう。
もちろん、指示命令が絶対にNGということではありません。ビジネスの現場では、指示命令も必要ですよね。(^-^)
今、自分が
提案をしようとしているのか、
要望をしようとしているのか、
あるいは、指示命令をしようとしているのか…
意識して使い分けることがポイントです。
提案のポイント
ここで提案のポイントを整理してみます。
(1)選択権は相手にある
繰り返しになりますが、「提案」の場合、相手に選択権があります。
相手の選択権を奪ってしまわないように十分に注意して下さい。とくに、上下関係がある場合には要注意です。
(2)事前に許可をとる
提案をする前に、
「1つ提案してもいいですか?」
と、事前承諾をとると、相手は提案を受け入れやすくなります。
これを常にやる必要はありません。
ただ、相手が「提案」されることが苦手なタイプの場合には有効な方法ですので、ぜひ覚えておいてください。
以上のことに気をつけて、「提案」を使ってみてください(^-^
提案を、実践してみましょう
次のことを実践してみましょう!!
(1) 提案・要望を使い分けてみましょう。
伝えたいことが、提案になるのか、要望になるのか、(あるいは指示命
令になるのか?)意識をして使ってみましょう。
意識してみての結果はいかがだったでしょうか?
以前、私はコーチから、こんな提案をされたことがあります。しかも1度ではなく何度も。
「ひろみさん、それ、その人に聞いてみたらどうですか?」
というのも、私はコーチにいつもこんな話をしていたからです。
「私は~だと思うんですが…」
「○○さんは、~と思っているのかもしれません。」
そうなんです。
上の文章には、「~思う」という表現が使われています。
自分の頭の中で推測したことを永遠とぐるぐる考え続けてしまう、そんな癖が私にはあります。コーチは、そんな私に、「直接聞いてみたらどうか」と、提案をしてくれたのです。
当たり前といえば当たり前なのですが、コーチから言われるまで、私はそのことに気がつきませんでした。
人が何を感じているのか、考えているのか。
いくら私が推測したってわかるはずはありません。本人に直接聞かなければいつまでたってもわからないままなのです。
もし、コーチからこんな言い方をされていたら、素直に提案を聞くことができなかったと思います。
「ひろみさん、それはその人に直接聞いて見なきゃわからないですよ。」
この言い方では、何だか自分が否定されているような気持ちになります。
コーチが私に「提案」をし、かつ、私に選択権があったからこそ、素直に受け取ることができたのだと思います。
提案・要望に限らず、大切なことは、今、自分がどんなコミュニケーションをとろうとしているのかを意識することです。
そして、提案・要望の場合には、相手に選択権があることをぜひ忘れないように、頭の片隅に留めておいて下さい。
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