不眠を改善するための方法。
その中でも簡単に、そして、すぐに実践できるものをまとめています。
毎日同じ時刻に起きる
仕事がある平日は毎日同じ時間に起きているけれど、週末は、寝不足解消にいつもよりゆっくりと遅い時間まで寝てしまう。
多くの人がやっている、この方法はあまりおススメできません。
例えば、あなたが毎朝7時に起きているとします。
すると、目覚める3時間前の4時頃から、目覚めのホルモンであるコルチゾールが分泌されはじめます。そして、自然に7時に目覚めることができるのです。(目覚まし時計などを使わずに、自然に目覚めることを自己覚醒とよびます。)
週末は平日よりも遅くまでねてしまうと、このリズムが崩れやすくなります。
そのため、平日週末にかかわらず、同じ時間に起きることが、不眠解消になります。(平日と週末の起きる時間の差は、最大でも2時間くらいまでに抑えるようにしましょう、)
朝起きたら体内時計をリセットする
朝目覚めたら、太陽の光を浴びる。
単純なことですが、太陽の光を浴びることでメラトニンの分泌が停止し、体内時計がリセットされます。それと同時にセロトニンの分泌が始まります。
メラトニンは目覚めてから、14~16時間程度で再び分泌が始まります。
夜、快適な眠りにつくためにも、朝目覚めたら太陽の光を浴びることを心がけましょう。
就寝前は白熱灯や間接照明を利用する
白色の蛍光灯は太陽と同じ青い光を含むため、夜間に浴びるとメラトニンの分泌が抑制さ、分泌されなくなってしまいます。
対策としては、寝室の照明を蛍光灯ではなく、赤っぽい光暖色の照明にすると良いと言われています。日本では室内の照明に蛍光灯が使われることが多いのですが、海外ではリビングや寝室では白熱灯を使うことが多いようです。
白熱灯は、青い光(短い波長)はあまり含まれず、赤い光(長い波長)が多く含まれるため、メラトニンの分泌を妨げることがありません。
寝つきが悪いと感じている方は、リビングや寝室の照明を白熱灯や間接照明に変えてみるのもおすすめです。
眠る前にパソコン、スマホ、テレビを見ない
パソコンやスマホ、テレビの画面からも、蛍光灯と同じブルーライト(青い光)が出ています。
ブルーライトは、太陽に含まれる光と同じです。そのため、メラトニンの分泌が抑えられてしまい、眠気が起こりにくくなります。
眠る3時間前、できれば1~2時間前には、パソコンやスマホ、テレビを見ないようにすることで、スムーズに眠りにつけるようになります。
適度な運動をする
適度な運動をして、肉体を疲労させることも効果的です。運動習慣がある人には、不眠が少ないという調査結果もあります。
運動といっても何でも良いわけではなく、いくつかのポイントがあります。
- 1回の運動よりも、習慣的に運動を続ける
- 激しい運動よりも、軽めの有酸素運動を長く続ける
- 夕方から就寝の3時間前くらいまでが効果的
軽めの運動をすることで、脳の温度が上がります。すると、脳の温度低下が大きくなるため眠りやすくなるのです。
ただし、就寝前の運動や激しすぎる運度は、逆に身体を興奮させてしまい、入眠を妨げることがありますので注意をしてください。
寝る前のストレッチ
身体を興奮させない程度の軽いストレッチは、身体をリラックスさせる効果があります。
私たちが起きている間は、首から背中にかけての疲労が溜まりやすくなっています。そのため、首から背中をほぐすようなストレッチを取り入れると身体がリラックスしやすくなります。
特に肩凝りがある方は、軽いストレッチをすることで身体の緊張がほぐれて眠りに入りやすくなる効果が得られます。
この時に、次で説明する腹式呼吸をしながらストレッチをすると、よりリラックス効果が出やすくなります。
呼吸法で副交感神経を優位に
現代は、刺激やストレスにされされることが多く、交感神経が優位になりがちです。
交感神経が優位になっていると、身体は興奮状態にあるためなかなか眠ることができず、入眠障害を誘発してしまいます。
私たちは、交感神経、副交感神経を自分の意志でコントロールはできませんが、呼吸によりコントロールできることが知られています。
交感神経が優位になっている場合には、呼吸は浅く、早くなります。逆に、副交感神経が優位になると、ゆっくりとした深い呼吸になります。この「ゆっくりとした深い呼吸」をすることで副交感神経を優位にすることができるのです。
呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸があります。
胸式呼吸は、運動をしている時、緊張、興奮している時の呼吸。
腹式呼吸は、睡眠、安静時、リラックスをしている時の呼吸です。
つまり、私たちが眠っている間は、自然と腹式呼吸を行っているのです。
どちらの呼吸も良い悪いはありませんが、ゆっくりとした腹式呼吸で副交感神経を優位にすることで、快適な入眠をすることができるようになります。
おススメはヨガの腹式呼吸
呼吸法には色々とありますが、ここでは、ヨガの呼吸法(腹式呼吸)を取り上げてみます。
ヨガというと様々なポーズを思い浮かべる方も多いかと思いますが、実はヨガでは呼吸法をとても大切にします。
ヨガの呼吸法では、基本的に鼻から息を吸い、鼻から息を吐きます。腹式呼吸はヨガの基本となる呼吸法であり、日常生活の中で私たちが取り入れやすい呼吸法です。
床に仰向けに寝っころがるか、横座り以外で姿勢を正して座ります。(あぐら、正座、長座など)この時、自分が苦しくない、心地よく感じられる範囲でゆっくりと呼吸をします。
息を吸うときは、たっぷり吸い、息を吐くときは、全部吐き出すくらいの意識で呼吸を行います。この時に、吸う息よりも吐く息を長めにすると、自然に腹式呼吸をすることができます。
日常生活で心がけたいこと
入眠をスムーズにするために、日常生活で心がけたいポイントをまとめると
- 毎朝決まった時間に起きる
- 起きたら、太陽の光を浴びて体内時計をリセット
- 就寝前はブルーライトを浴びない
- 適度な運動をする
そして、この他にも、
- 寝る1~2時間前に、ぬるめの温度でゆっくり入浴。
お湯につかると体温が上昇し、お風呂からあがると体温は低下します。すると、副交感神経が優位な状態になりやすいため、入眠しやすくなります。 - 寝る4時間前はカフェインを摂取を控える。
カフェインが体内に摂取されてから、覚醒効果は4~5時間続くと言われています。 - 寝る2時間前の喫煙はさける。
ニコチンには吸入直後はリラックス効果がありますが、その後、覚醒作用があらわれ数時間持続してしまいます。 - 寝酒はしない。
アルコールには催眠作用がありますが、その作用は3時間程度で消えてしまいます。利尿作用効果もあるためトイレに起きてしまい結果として睡眠を妨げてしまいます。 - 食事は眠る3時間前くらいまでに終える。
満腹になると交感神経が活発になり、入眠の妨げとなります。 - 昼寝は午後3時まで20~30分程度。
仮眠が1時間を超える場合、それが不眠の原因になることがあります。
これらのことを、できることから心がけていくことで、不眠を改善していくことができます。
どうしても眠れないときは
ナポレオンは、1日に4時間しか眠らなかったといわれています。アインシュタインは睡眠時間が長かったことで知られています。
このように、睡眠時間には個人差があります。短い人だと4時間未満、長いと10時間以上の人までいると言われています。
体内時計の特徴から、いつも眠る時間の2時間前は1日の中で最も眠気が少ない時間であることが知られています。そのため、眠気を感じる前にベッドに入ると、良い眠りを妨げてしまうことがあります。
どうしても眠れない、そんなときもあります。
その時は思い切って、「眠くなるまで眠らない」という選択をすることも大切です。
私たちが眠れない時、心配事などで頭がいっぱいになってしまい、ますます眠れなくなってしまうことがあります。そのような時には、一度ベッドから出て眠くなるのを待ってみましょう。
こうすることで、眠れない不安から頭や身体が緊張してしまい、その緊張が不眠をより意識させ、 さらなる緊張を生むといった悪循環を断ち切ることができます。
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