聞くスキルその2は、「話をうながす」です。
これも、シンプルなスキルです。
話しをうながす2つの手法
具体的には、次の2つの手法を使います。
- あいづち・うなずき
- オウム返し
「オウム返し」は言葉の通りで、オウムが人の言葉を真似するように、相手が使った言葉を繰り返すことです。
「話をうながす」スキルは、実はとても使えるスキルです。
「話をうながす」スキルを使うと、自分が楽になる
このスキルを使うと、人と会話を続けることがとても楽になります。
例えば、初対面の人や、まだあまり親しくない人と話すとき。
私は、この「うながす」スキルをよく使っています。
もともと、私は、人見知りをする傾向がありました。
(周囲から、あまり信じてはもらえませんでしたが…)
以前の私は、初対面の人と話すときはいつも「何か共通の話題はないものか」と、一生懸命に話題を探していました。話が途切れたりしたら、大変です。「私の話はつまらないのだろうか…」と、不安で不安でたまりませんでした。
でも、
相手の話を聞いて、そして、話をうながす。
自分が話すことよりも、相手に話をしてもらう。
無理に、話題を探す必要がなくなったためでしょうか。
もちろん気を使いますが、以前とは違い初対面の人と話すことが楽しくなりました。
もしあなたが、
「自分は話をするのが苦手…」と、感じているのであれば、ぜひ、このスキルを活用してみてください。
本当に、人と話すのが楽になります。
「話をうながす」スキル 初級編と上級編
ちなみに、この「話しをうながす」スキルには初級編と上級編があります。
初級編 | 「私はあなたの話を聞いています」と、サインを伝える。 |
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上級編 | 「私はあなたの話を興味をもって聞いています。」と、サインを伝える。 |
どちらも使うスキルは同じです。
1.あいづち・うなずきと、2.オウム返しを使います。
この2つは、話し相手からみると明らかに違うものです。
初級編よりも、上級編で対応されたほうが、より相手は気持ちよく話すことができます。
ちょっとした表情であったり、しぐさであったり、様々な要素があるのですが、一番大切なのは、心からその人に、その人の話に興味をもつことです。
そうすれば、スキルは後からついてきます。
聞き上手といわれる人たちは何をしている?
聞き上手といわれる人の「話をうごかす」スキルをちょっと覗いてみましょう。
例えば、タモリさん。
これは、2006年9月26日(火)の笑っていいともの中での会話です。
※Tはタモリさん、Nはゲストの夏木マリさん
N:今、印象派で動いているでしょ。だから、ウォームアップとクールダウ
ンするんです。
T:クールダウンとか必要らしいですね。 ※(2)
N:そうなの、次の日もぜんぜんつかれない
T:へ~ ※(1)
N:サッカー選手になった気持ちでコンビニで氷買ってきて、2束。
T:うん ※(1)
N:ビニールの入れ物にいれて、
T:うんうん ※(1)
N:それで肩に乗せるのよ。
T:それだけでいいの?
N:で、物足りなくなって、サウナ行って…
T:うん ※(1)
N:水風呂に入ったわけ。
T:うんうんうん、サウナに入ったその後にね ※(1)(2)
N:で、ずっと考えごとをしていて、ハッと気がついたら20分以上経って
いた…
T:水風呂に? ※(2)
N:でも、20分くらい冷やせっていうんですよ、だからいいかなと思って
T:うん ※(1)
:
こんな調子で会話が続いていきます。
※(1)はあいづち、※(2)がオウム返しになります。
文章にしてみると、タモリさんがあいづちをよく使っていること、そして、夏木さんが使った言葉を繰り返していることもわかります。
「話をうながす」スキルのまとめ
さて、今回のスキルは、前回ご紹介した「聞く技術のレベル」に照らし合わせると、どのレベルになるのでしょうか?
レベル1:好感や信頼感を勝ち取る
レベル2:相手の本音を引き出せる
レベル3:相手を説得できる。
そうです、これもやはり、レベル1の好感や信頼感を勝ち取るスキルです。
相手に気持ちよく話をしてもらうための技術です。
逆のパターンも考えてみましょう。
「話をうながす」スキル(あいづち・うなずき、オウム返し)を、まったく使わない人と話したとしたら、どう感じるのでしょうか?
そうです、そういう時、私たちは不安になります。
「私の話、聞いている?」
「私の話、ちゃんと理解している?」
「私の話はおもしろくないのかな…」
皆さんにも、そんな経験があるのではないでしょうか。
「話をうながす」スキルは、私たちが安心して会話できる環境を構築するためには、無くてはならないもです。
上司や部下と話をするとき、チームメンバーと話をするとき、
お客様と話をするとき・・・
ぜひ、このスキルを、試してみてください。
実践!!
「話をうながす」スキルを使ってみたい、そんなときは、次のことを試して見てください。
(1) 皆さんの周囲の人達は、「うながす」スキルをどのように使っているでしょうか?
観察してみてください。
(2) 会話中で、「うながす」スキルを意識して取り入れてみましょう。
ここから先は、実践した後に読むとより効果ありです(^-^
「うながす」スキルを使ってみて、感想はいかがだったでしょうか?
「思った以上に、相手が話をしてくれた。」
「話が弾んだ」
と、言う方も多いのではないでしょうか。
中には、うまくいかなかったという方もいらっしゃるかもしれません。
もし、そうだとしてもがっかりしないで下さい。
私も失敗したことがあります。
コーチングの勉強を始めたばかりの頃のことです。
その当時、付き合っていた人に、話をうながすスキルを使ってみることにしました。
ある日のことです。
彼と会話をしているときに、
「ここは、聞くスキルを使わなければ」と
彼の顔を覗き込みながら、張り切ってあいづちを入れました。
「うんうん」
「それで?」
「へ~」
すると彼は、こう言いました。
「それ・・・うざいんだけど」
この一言は、ショックでした。
スキルを使おうと意識するあまり、やり過ぎていました。
大袈裟すぎて、あまりに不自然なあいづちになっていたのです。
それからは、スキルを使うことより、自然に会話することを意識するようになりました。
無理に使うのではなく、使えるところで使う。
最初はもしかしたら、うまくいかないかもしれません。
それでも、繰り返して使うことで、きっとあなたの身についていきます。(^-^
私がそうだったのですから。
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