相手と話をするときは、先ず、相手の関心を引くこと。そして、次にすることは、あなたの話を伝えることです。
今回は、どうすればあなたの話が相手に伝わりやすくなるのかを考えてみましょう。
『説得』と『納得』
それぞれの言葉を辞書で調べてみましょう。
【 説得 】
よく話し聞かせて相手に納得させること。
【 納得 】
他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めること。
『説得』というと、なんだか、力任せに相手を説き伏せるイメージがありますが、実はそうではないことがわかります。(私だけでしょうか?)
『相手を納得させること』=『説得』なのですね。
さらに言えば、
『納得』=『理解』+『共感(もっともだと認める)』とも言えます。
『理解」と『共感』
相手に『納得』してもらうためには、先ず、理解を得ることが必要です。
それから、あなたの言うことが「もっともだ」と認めてもらう。つまり共感してもらう。
Level2:「理解」 → Level3:「共感」
となって、はじめて相手は納得するのです。
理解を得る
相手の理解を得るためには、どうしたらいいのでしょうか?
- 難しい言葉を使わずにわかりやすい表現をする
- 論理的に説明する
- データや数字を提示する
- 相手の疑問に丁寧に答える
相手の理解レベルや状況に応じて、工夫をすることが大切です。
ここで1つ、注意するべきことがあります。
それは、詳しく説明しすぎないこと。
1度に大量の情報を与えるよりも、本当に伝えたいポイントを簡潔に絞って相手に伝える。そうすることで理解を得られる可能性が高くなります。また、このとき、質問をして、相手に話をさせることも効果的です。
例えばこんな具合です。
Aさん:「コーチングは効果があるのでしょうか?」
Bさん:「Aさんはどう思われますか?」
Aさん:「そうですね、効果がありそうだとは思っているんですが…」
Bさん:「なるほど、どんな効果を期待されているのですか?」
Aさん:「実は、知人の会社がコーチングを導入して成果をあげているんです。」
質問に回答することで、Aさん自身がコーチングの効果について話すことで、Aさんは自己説得をしていくのです。
人は感情で判断する
次に、相手の共感を得るためにどうすればよいのでしょうか?
中谷彰宏氏は著書「なぜあの人の話に納得してしまうのか」の中に、参考になる記載があります。
例えば、アメリカの裁判映画で。弁護士は陪審員に論理ではなく、感情に訴えかけている。 なぜなら、12人の素人の判事は最終的には感情で有罪か無罪かを判断するからだと。
共感を得るには、論理やデータではなく、相手の感情に訴えかけることが必要です。
「頭では理解できるけれど納得できない。」ことってありますよね。
これは、共感をもつことができないために起こることなのです。
実践!感情に訴えてみましょう
次のことを実践してみましょう!!
「頭では理解できるけれども納得できない」状況とはどんな状況なのか考えてみましょう。
私自身も、改めて考えてみました。
先ず真っ先に思い浮かんだのは、子供の頃に親から言われた小言。
「もっと勉強しなさい。」
「心配するから夜遅くならないように。」
「お姉さんなんだから妹に優しくしなさい。」
ぜ~んぶ頭ではわかっているけれど、そういえば、素直に聞くことができませんでした。
こんなこともありました。
社会人3年目の頃。面談の時に、上司からこう言われたことがあります。
「もっと仕事できるんじゃない?まだまだ余裕ありそうに見えるけど。」
正直を言うと、確かに余裕ありました。
でも、それは私なりに努力した上での余裕でした。いつも、どうしたら仕事を早く終わらせることができるのか、私なりに考えて仕事をしていたのです。
だから、上司からこの言葉を言われたときは少なからずもショックを受けました。
「この人は何も見てくれてないんだな」と。
上司が言う言葉が、もっともであることは頭で理解はしたけれど、気持の上では全く納得できませんでした。ちょっと子供じみてはいますが、自分のことを見て、理解していて欲しかったのでしょうね。
今、振返れば、単純に私に余裕があるように見えたのでもっと頑張って欲しかっただけなのだと思います。
あのとき、もし、上司が
「いつも仕事が早く、頑張っているね。もう少し仕事増やしてもいけるんじゃない?」
ちょっとした言い方の違いですが、こんなふうに言ってくれてたら、もっと素直に受け止めることができていたのかもしれません。
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